2019年9月30日についに最終19巻が発売され、完結した「王様達のヴァイキング」をご紹介します。
天才ハッカーの是枝一希と、エンジェル投資家の坂井大輔が出会い、ハッキングを駆使して様々な事件を乗り越えていくマンガです。
ハッカーというと、パソコンをカタカタして他人のサーバーに侵入して悪さするといったイメージがありますが、実はハッカーとは「コンピュータ技術に秀でた者への称号」だということを、このマンガにより知ることができました。
主人公は次の二人です。コンビニのバイトをクビになってしまうくらいコミュニケーションに難ありの是枝くん。そして、スカイツリーで上場パーティをサプライズで開くエンジェル投資家の坂井さん。二人が出会ったのは、さびれたレンタルショップ。坂井さんが、金融機関へのサイバー攻撃を行った犯人を探す依頼を受け、解析していたログの中に暗号が埋め込まれており、それが地図だった。その場所に駆け込む坂井さん。そこはレンタルビデオショップで、中には高校生が一人と犬一匹。こうして、二人が出会うところから物語が始まっていきます。
コミュニケーションが苦手で変人だと思われてしまう「神業」ハッカーの是枝くんがハッカーの技術で生きていくためにはどうすればいいか、坂井さんと模索していく物語です。
「今はまだ 名も無き若者と 仕事中毒の天使 これは のちに王冠を抱くことになる二人の、宝探しの航海記である。」
一巻の初めの「CODE 0(0話)」の最後に記載されている文章です。宝とは、何を意味しているのか、この時はわかりません。この問いに対して、一巻の中盤で坂井さんのこのようなセリフがあります。
「あいつは何のために生まれてきた?PCとあそぶためじゃないだろう。今までの真っ当と呼べない経験が、奴に見えない宝をくれているはずなんだ。その宝を探し当てられるかどうか。あいつの人生の価値は、あいつ自身が決めるんだよ。」
つまり、宝とは、後悔しない人生を送るための、是枝くんに眠るハッカーとしての技術のことなのだろうと考えられます。
是枝くんは自身の力で人生を切り開いていけるのか、様々なものがネットとつながるIoT時代ならではの事件を解決しながら、模索していく物語です。ぜひ読んでみてください。